Radiological Protection of People and the Environment in the Event of a Large Nuclear Accident


Draft document: Radiological Protection of People and the Environment in the Event of a Large Nuclear Accident
Submitted by Akemi Shima, 個人被ばく線量計データ利用の検証と市民生活環境を考える協議会
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iICRPダイヤログセミナーが行われた福島県伊達市からお伝えしたいことがあります。

それは伊達市は全市民を対象に個人被ばく線量測定をしましたが、そのデータについて意見を申し上げたいです。

それは、個人被ばく線量計(ガラスバッジ )は、ほとんど首からぶら下げている人を見たことがありません。
2012年8月から測定(1年目は子ども妊婦2年目は全市民が対象)が始まりました。
実は、私は首から下げて外を歩いたことは一度もありません。バッグに入れて外に出たことは1年間のうち数回あります。外の線量と室内を比較するために物干し竿にぶら下げていた時もありました。家に置きっぱなしがほとんどでした。送られてきた封筒に家族ごと入れたまま3箇月の時もありました。ある人は車で移動することが多いからずっと車に入れたままにしたり、またある人は家の窓際にぶらさげたまま、またある人は一階と二階に分けて置いたりしたそうです。他の人たちも同じようにそれぞれの考え方で使用していたと聞いています。1年間24時間肌身離さずガラスバッジを着けているなんてほとんどの人が無理だと思います。特に外出するときにガラスバッジを首から下げているのは恥ずかしいですし、嫌ですよね。そうかといって家に中でガラスバッジを首から下げて移動することはしないです。

私は、大人の人が街の中でガラスバッジを首から下げて歩いているのを見たことはこの8年間で1〜2人くらいです。それにガラスバッジがこのような原発事故のような放射線源があらゆる方向から飛んでくる環境での使用は無理があるのではないかということは前々から問題視されていました。

”実態とかけ離れる「個人線量計」調査7割の家庭で屋内に置きっぱなし”東京新聞2013年12月23日の記事まだだくらいです。

その後、議会でもガラスバッジの装着状況について話題になり、2017年12月8日小中学生に聞き取り調査がされました。その結果がこちらです。
 首から下げている0% 学校には持ってきている34.5% 家に置いてあるある 53.2% わからない・不明 12.3% という結果も出ています。
要するに、あのガラスバッジのデータは“信ぴょう性がない“ということです。
何故このようなことになってしまっているのかというと、ガラスバッジのデータを使って研究がされ論文が書かれるという説明がされていなかったからです。伊達市からも研究者からも何もありませんでした。論文が発表になってもです。新聞などでニュースになった同意していない人のデータを使用したことでしたが、あの同意はガラスバッジの使用に関してと伊達市民のために分析することについての同意だったはずです。そもそもこのような人を対象とした研究をするときは、まず研究対象者に研究内容を説明をして同意をとり、同意撤回の窓口も準備しなければならないのだそうです。しかし、今回の研究は研究対象者である伊達市民は全く知らされていなかったので同意撤回を希望することすらできなかったのです。これは大変な人権侵害であり、研究倫理指針違反にあたります。

それに、放射能汚染がある地域では、わざわざ線量が高そうなところには行きません。行動範囲を狭めて生活しています。

そういった環境の中で採られたデータなのです。

かなりの確率で室内の線量の可能性も否めないでしょう。

そして、積算線量が高い地域での測定では、ある期間中は避難していて、その場所にいない状況だったのにも関わらず、そのことも考慮されず高い地区にあたかも居たかなようにデータが集計され論文に書かれています。明らかに過小評価されているということです。

個人被ばく線量計は、あくまで目安としてだけで被ばく線量の評価としては大変問題があります。

絶対参考にしないでください。

 

 


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